友 ~雲外に蒼天あり~
また、倖が来なくなった


そんな、ある日


芹沢さんが、大和屋さんに火を放つ
大事件が起きた





浪士組の皆が、ピリピリしてた

近藤派、芹沢派

浪士組が二分した




なんとか関係を修復しようと試みた


今夜の宴もその1つだった
なのに…

島原から屯所への短い帰り道で
芹沢さんが酔っ払いを一方的に斬り捨てた

僕らは、御遺体を奉行所に届けたり
後処理をした


「芹沢さん、どうしちまったんだ…」



お酒さえ入らなければ

芹沢さんは、とっても素敵な人です


そう、お酒さえ入らなければ…





ドンッ


急に立ち止まる土方さんの背中にぶつかる


「ちょっと!!んっ?」



土方さんの視線を追うと

そこには、黒装束のものらが数人


「何か用か?」


土方さんが訊ねる


「フンッ」



鼻で笑い、消えていった



「お前の友の仲間だろうな」


僕も、なんとなくそんな気がした


「どうでしょうね」



曖昧に返したのは、あの人達から

弱冠ではあるけど

殺気を感じたから



土方さんに疑われたくない



僕は、また



私情を挟んでしまった




「気をつけろよ」




「はい」















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