友 ~雲外に蒼天あり~
翌日



「倖を雇う話、進めて下さい!」



佐吉さんは、ふわりと笑った


「早かったな」




そして





休憩場所で、倖を呼び

僕と話す機会も作ってくれた



「久しぶりだね!」

「ん」


「倖に会いたかったんだよ」

「……」


倖は、会話をしてくれなかった

前よりも


心を閉ざしている


そう感じた




視線は、どこ見ているかわからないし
「ん」 しか言わない




倖が佐吉さん達のところに戻ると

「雰囲気が変わったね…」

僕の隣で、近藤さんが眉をひそめた





そして、2度目の休憩場所に到着する寸前





襲撃に合い、放たれた矢が
佐吉さんに当たる直前に
倖が佐吉さんを庇い矢が左肩に刺さった


怪我をしたって、平然と戦い


将軍を守り抜いた



「倖!」



倖は、顔色も変えず


「なんだ?」


そう言いながら、矢を折り
ポイッと捨てた


「怪我…」

「怪我?かすり傷の様な物だ」



とりあえずの応急処置のみで
そのまま仕事をやりとげた






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