友 ~雲外に蒼天あり~
これが




僕らの最初の出会いだった







綺麗な着物

御武家の娘さんかな?



「送りましょう」



「え…」



「あ… 怒られます?」



「……」




今まで目が合わない無表情な娘さんが

僕をジッと見つめてきた



「1人で帰れる」



ぶっきらぼうに放たれたその言葉に



トゲのようなものを感じた

かつて、僕もそんな物言いをしていた



これは、人見知りじゃない




「僕は、沖田総司です!
また、会えたらいいですね!」




にっこりと微笑む

近藤さんが僕にしてくれたように





「なぜ?」


心底わからないと言いたげだった




「僕は、友だと思ったからそれを渡した!
あなたは、受け取った!僕の友!
だから!また、会えると嬉しいです!」




娘さんは、竹とんぼをチラリと見ると



僕の方を向かず





去って行った











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