友 ~雲外に蒼天あり~
竹とんぼ
スエさんが住み込みになってから

倖は、どんどん成長した


「スエさん!!
八百屋さんがおまけをしてくれましたよ!」


しっかりと敬語を使える

そして、必殺愛想笑いで値切る


ということを自然に出来るようになった


料理 洗濯 掃除 一通りの家事ができ

なんていうか…


とっても女性らしくなった



最近、タミさんは失恋をしたそうで
倖とタミさんより年上のスエさんが
慰めているそうです

なぜ 僕がそんなことを知ったのか…




「総司!近藤さんがやってたあれ!
使い方がわかった!!!」

倖が物凄い勢いで僕のところに来た


「アレって何?」


「ほら!これ!」


と、僕を抱きしめた


!!!!!


「太一が泣いてたときに
私は、これを知っていたら良かった
タミさんが失恋をして泣いてたら
スエさんがこうしてた!
タミさんたくさん泣いてたけど
ありがとうって笑顔になった!」


「そっ…それは、良かった
倖 これはね」


「そうなんだ!これは泣いてる人にするもの
でも、近藤さんは泣いてない私にした!」


「倖 僕も泣いてないから」


「私、あの時凄く悲しかったの!」


「え?」


僕の話を聞かず
倖は、話を続ける


「私…人並みになんてならなくていいから
新選組の調査やめるって主に言ったんだ
本当は、ずっと総司と友が良かった
だけど
私のせいで、総司が困るのも
近藤さんと土方さんが仲違いするのも嫌
とっても良い選択だと思ったけど
人並みが出来ない私は、主を困らせた
だから… 捨てられたと思って
あの時…… 悲しかったの」






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