友 ~雲外に蒼天あり~
竹とんぼの裏側に書いた



〝組内間者〟〝桝屋調査〟



総司は、きっと気づいてくれる







宮部が誰かに文を書き
それをいつも桝屋に渡す


桝屋は、恐らく吐かせるのが難しい

私がここを脱けるのは簡単

いつでも脱けられるなら
なにか手がかりを摑んでからでもいい



「お前が俺を主として忠義を立てているなら
抱かせろ」




宮部がそんなことを言い出した

今、逃げると私の竹とんぼが怪しまれる






新選組を守りたい















「どうした?
お前の忠義とはそんなものか?」





「……」


私は、帯に手を当てた








「出来ないのか?」









「……経験がない」


「ほお?初めてか!!」



宮部は、私の着物を乱暴に脱がせ

私を抱いた


こんな奴に、初めてをやるとは…




「汚い体だな」



傷をなぞりながら宮部が言った



私の体は、たくさんの傷がある

スエさんやタミさんは
綺麗な体だった


こんな奴に抱かれ
思い知るのは、いくら努力しても

私は、人並みになれないということ


主に捨てられて良かった


もしも、この体を見たら

主も気味悪がるだろう



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