友 ~雲外に蒼天あり~
私は、答えをみつけた




私は、今まで主に捨てられ続けた

だから人は、裏切るものだと


確かに、宮部は、いつも

違う傷をなぞってた


宮部を傷つけたから




罪の意識で、殺せなかったんだ




「ごめんなさい」



「ふっ 気にするな!
サチほどの別嬪には、もう男がいるだろ?
こちらこそ…
初めてだったのに…
嫁にするまではって、最初は大事にしよう
って、だけど新選組の女中とか
なんか色々で、逃げていく気がして…
すまんな… もっと信じてやるべきだった」



「ごめんなさい」



涙がどんどん溢れてくる


そんな私を抱きしめ



「俺の田舎は、ここみたいな山で
のんびり落ち着いたところなんだ
サチとのんびり生きていきたかった」

「どこ?」

「肥後の国」

「それどこ?」

「遠いところ!」



宮部が、宿を出るとき



「もう、会うことはないだろう
名前に負けず幸せにな!
長州が古高の漏らした計画を実行する
大砲も京に持ち込んだらしいぞ
新選組に教えてやれ!」


「……いいの?」


「信じるかどうかは、別だがな!
俺は、元々戦などしたくない!
良い国になることを望んだだけだ!
これで、借りはなしだな!」










なんとなく



宮部で良かった…と思った




八百屋さんへ

スエさんが買い物に来る前に

文を託した




その帰り道








宮部が切腹したという話を聞き


もう、会うことはないだろう

という言葉の意味を理解した













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