友 ~雲外に蒼天あり~
ドォーーーーーン!!!


早朝




響き渡る大砲の音





私は、音がした御所の方へ走る




そこに、新選組がいるはずだから








いつだったか、総司が羨ましいと思った

たくさん友がいることを



良き出会いが、今まで私にもあったはず

ただ、私はわからなかったんだ



『姫さん』



私をそう呼び、何かと世話を焼きに来た

竹とんぼを知らなくて、笑われたが

思えば、だからと言って

罵倒されたわけでもない




「姫さん!!!」


「佐吉!御所へ向かう!」


「姫さん駄目だ!!!」


「!!!」



佐吉が私を止めた



「わかってるんだろ?
本当は、ちゃんとわかってんだろ!?」



私は、佐吉に微笑んだ



「わかってる!行こう!!」


「わかってるんなら、駄目だ!!
姫さん!!誤解だったんだ!!
俺が余計なこと言ったから命令で…
だから、姫さんは嫁にいくべきだ!!!」


「嫁には… いかないけど
皆いるんだろ!?一緒に戦おう!!」


「だから!!姫さんに何かあると
俺は…」


「佐吉!大丈夫!!私、今ね
誰にも負けない自信があるから!!!」



「姫さん… ぁぁあもう!!」





私にも、友と呼べる仲間がいた









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