友 ~雲外に蒼天あり~
数日後




コウが会いに来てくれた



「すみません… 大勢で」


「総司… コレ何?」




コウが差し出してきたのは
僕があげた竹とんぼ

???


知らないのかな?



「コレはね 竹とんぼといって
とっても高く飛ぶんだよ!」


竹とんぼを飛ばして見せると


「凄いな」


竹とんぼを拾い興味深く見る


「貸して見ろ!」


永倉君が竹とんぼを奪い

僕より高く飛ばす

それに負けじと皆が代わる代わる飛ばす



「ふふっ こやって遊ぶんだよ」


「遊ぶものだったんだ…」



僕のあげた竹とんぼで遊ぶ皆を見ながら



「総司には、たくさん友がいるんだな」


「そうだね
とっても恵まれてますね」


「私にも仲間はいる
だが… 総司のような友もいなければ
総司の友のようなものもいない」


「さみしい?」


「いや」



否定したけど

さみしそうだよ?



「昨日 竹とんぼを知らないことで
散々馬鹿にされたが
総司の友は、1人も馬鹿にしないし
笑ったりしなかった
そういう仲間がいないことはさみしくない
だが… 総司が羨ましいとは思うな」


「コウには、僕がいるし
僕の友は、コウの友のようなものだよ!
皆、コウに会いたがってきたんだよ!」



「総司が心配なだけだろ
総司の友であり
私の友ではない
私が会いたいと思うのは総司だけだ」



竹とんぼを拾うと



「私の素性を探るのは無駄な事だ
元々、私には語れるような素性などない
なかなか優秀な忍のようだが
あまり首を突っ込むな
私は、浪士組を潰せるぞ」



コウは、僕達の方に向かず
帰って行った



優秀な忍って…
土方さんが見つけてきた山崎君だよね



身辺調査させてたんだ…




コウは、多分

僕達、浪士組を潰せる




付き合いの浅い僕にも

はったりではないってわかる

もしかしたら


今日、皆がついてくることも

コウは、予想していたのかも














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