モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム
「一緒のクラスの男の子から告白されたんだけど、付き合うのがイヤでこっぴどくフッてやったのね。そしたら”付き合う”って言ってくれるまで諦めないとか言い出して……で、私がいらん事言って、罰ゲームで付き合う事になっちゃったの………」
ほぼ100%私が悪いけどさ、桐谷くん悪くないけどさ……ちょっとまって、桐谷くんが悪くないことないよ!!
元はといえば、桐谷くんが諦め悪いせいでこんな事になってんのに!!
誰のせいでこんなどーしようもないウソつかなきゃいけなくなったと思ってるの!! あーーー、思い出したらめっさイライラしてきた!!
「なるほどな。つーか、いらん事言って罰ゲームって。相沢いらん事言いすぎ!!」
「だって、そいつ学年1のイケメンだよ!? 超モテモテ男だよ!? その時はそれが最善の策だと思ったんだよ!! まさか1ヶ月の罰ゲームになるなんて………」
「プッ!! 確かに。学年1のイケメンと1ヶ月も付き合うのは普通にキツイ」
よほど面白かったらしい、佐伯くんはハハッと肩を震わせ笑ってくれている。
――その姿は、どこも変わらないまま。
中学の時の仲良しだった時のまま。
時間が戻ったような気がした。