モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム




本当に私を想ってくれてたんだ………



「俺さ、相沢の事がずっと好きだったんだ。賭けとかじゃなくて、本当に」



胸が痛い。顔が暑い。鼓動が早い。



あの時欲しかった言葉を今言ってもらえた。こんなに嬉しい事はない………と、あの時の私だったらそう思ったかもしれない。



だけど………



佐伯くんの瞳がまっすぐで。
まっすぐすぎて、思わず逸らしてしまった。



だって答えられない。


今の私はもう、あの時の私じゃない………



「相沢、逃げないで。今度は俺の声をちゃんと聞いて」



「に、逃げてないよ。ちゃんと聞いてる………」



「逃げてるよ。気持ちが逃げてる」



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