モテ男の桐谷くんと地獄の罰ゲーム
「こっちは遊びじゃないんすよねー」
と言いながら勝てるかもしれないタイミングを見計らう。
「部長さ、好きな子いるでしょ?」
と冗談半分で聞いてみると、部長はいきなり顔を赤くして固まってしまった。
――よし!!
でもまだ素早く動けそうだな……
最後に、もう一発!
「………それって私の事だったり?」
そう言うと、部長の足は少しガクッと下がった。
――よし!! 全然集中してない!
いける!!!
今日まで必死に練習したステップを綺麗に決め、
部長を抜き負かした。
え? マジで?
平然を装いながら部長の方へ振り向くと、その場にヘタレ込んでいた。
「桑野、お前………さっきの卑怯だろ! 今のはナシだ!!」
はぁ!!!?
二度もこんな技通用するワケないでしょ!
「手も足も出なかったクセに、潔く負けを認めてくださいね~」
「な………!それに別に、俺は………!!!」
と、言いながらも部長の凄い汗。
おまけに顔真っ赤だし、
コレで嘘とか、そんなの言わせないよ。
「………部長、愛してますよ」
*おしまい*