殺処分ゼロへ。
タイトル未編集
僕はレオ。今日は僕の3回目の誕生日!

子犬のロンが僕達の家族になってから
ママもパパもお兄ちゃんも、僕をほったらかしてロンばっかり構うの。

最近はパパに蹴られたりする…。
『いたい』って叫んでママを呼んでも無視される。
ご飯もくれない。散歩もロンだけ連れてく。

でも、今日は違うの!
ママとパパが笑顔で「おいで」って言ってくれたんだ!

(久しぶりの散歩だ♪)

家を出てそう思ってたけど、車に乗せられた。
ママが笑顔でこう言った。

「レオは今から“保健所”に行くの」

“保健所”ってなんだろう。
いいところかな。

そんなこと思ってたら真っ白た建物が見えてきた。
あそこが“保健所”か。

僕はパパの手から、知らないおじさんの手に渡った。
そして、パパとママは僕を見下して
「バイバイ」って言った。あの目は人の目じゃなかった。

白い建物に入ったらたくさんの“お友達”がいた。
僕に似ている子に話しかけた。
「ここってどんな所なの?」
その子は
「いろんな犬達が殺されていく所だよ…。僕も3日後くらいには殺される。」
はっきりそう言った。
「え、」
「あの鉄格子が奥の壁についたとき、、、」
僕は何も言えなかった。
ママやパパたちの身勝手な都合で僕は殺される。もう、どうでもよくなってきた。

それから何日かたって、
パパから僕を受け取ったおじさんが
僕達に
「ごめんな…」って言ってなにかのスイッチをオンにした。

おじさんは悪くないよ。全て、元飼い主のママやパパ達が悪いんだよ。
僕だって悪くない!!

そんな思いを毒ガスが優しく包み込む。

僕は苦しくなった。
周りの子は倒れて行った。
僕に似ている子が倒れたのをみてから
僕は意識を手放した。

そして、ママやパパ、お兄ちゃん達との思い出が脳裏に浮かぶ。

その思い出すらも毒ガスが優しく包み込み、
僕は息を引き取った。

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