もう一度、あなたに恋していいですか
私は部屋で一人、ずっと考えていた。
圭介さんとのこれからを。

私は今まで、この先のことを見ないようにしていた。
奥さんにばれる、別れを告げられる未来なんて想像したくなかった。
でもこのままの関係を一生続けられるわけがない。
いつかはこの関係が変わるときが来る。
それが”私と結婚”によるものなのか”別れ”なのか。

考えれば考えるほどわからなくなる。
不倫相手の私に、幸せな未来は訪れるのか。


ーーーピンポーン…

玄関のチャイムが鳴る。
誰かが訪ねてきたようだ。

三枝さんかな?
なにかあったら言ってくださいって言っておいたし。

「はーい」

私は玄関の扉を開くと、胸がどくんと高鳴った。

「なんだ、元気そうだね」

訪ねてきたのは仕事終わりの圭介さんだった。

「どう…して…」

「今朝いきなり有給とったって聞いたから体調悪いのかなって。お見舞いにきたんだけど」

そう言って彼は手に持っていた買い物袋を差し出す。
中には果物やゼリーが入っていた。
私のために買ってきてくれたようだ。

「…ああ、朝は体調悪かったけど、もう大丈夫よ」

「そうか、良かった。ご飯も買ってきたから一緒に食べよう。入っていい?」

今は一人になりたい気分だった。
正直今日は会いたくなかった。

「うん。勿論」

でも断るわけにも行かず、私は彼を招き入れた。
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