もう一度、あなたに恋していいですか
私にはそんな顔して笑わないくせに。


私は昴から視線をそらし、机に伏せる。

昴は、寧々ちゃんのことが好きだ。
そう気づいたのは4年前の中学1年生のときだった。

そして寧々ちゃんもまた、昴のことが好きだ。
でも二人はお互い、両想いだとは気づいていない。

昴が寧々ちゃんを好きなことも、寧々ちゃんが昴を好きなことも本人がそう言ったわけじゃない。
でも私にはわかる。

なぜならずっと、昴を見つめていたからだ。
私もまた、昴のことが好きだった。

昴が見つめる先が私じゃないのは悔しい。
でも寧々ちゃんなら、昴をとられてもいい。
他の全然知らない女の子にとられるよりもずっといい。

いつか二人が両想いになったら、笑って祝福する。
そう決めている。

早く言えばいいのに。
昴の根性無し。
早くくっついてくれたら、私も諦められるのに。


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