もう一度、あなたに恋していいですか
「お邪魔します」

俺は部屋に入ると上着を脱ぎ、ネクタイを緩める。
彼女の部屋にいるとどこか落ち着く。

「お茶いれるね」

そう言って彼女は台所のほうへ向かう。
今日一日会えなかったからか、いつもより彼女が愛しく感じる。
我慢できなくなり、台所に立つ彼女の背中を抱き締める。

「ひゃっ…!びっくりした」

すっぽりおさまる小さな背中に、俺の身体は火照り始める。
昨日も抱いたのに、いますぐ抱きたい。

「ご飯も食べたいけど…先に未羽のこと食べていい?」

彼女の返事を聞く前に、俺は彼女のTシャツの中に手を入れて胸を鷲づかむ。

「ちょっと待って…あっ…!」

このまま台所でしてもいいんだけど、体勢もきついしやっぱりベッドにいこうか。

「ベッド行こうか」

彼女はこくりと頷き、そのまま抱き合った。
その日は何も感じなかったのだけれど、その日を境に彼女はどこか考え込む瞬間が増えていった。
< 80 / 145 >

この作品をシェア

pagetop