もう一度、あなたに恋していいですか
俺は靴を脱ぎ捨て、リビングへ続く扉を開く。

「きゃっ…びっくりした。お帰りなさいあなた。今日は早いのね」

リビングへ入ると妻がいつものように迎え入れてくれる。
俺は妻の笑顔を見た瞬間、鞄を床に投げ捨て思わず抱き締める。

「どうしたの?何かあったの?」

妻は不思議にそうに尋ねる。

「いや…何もない。なんか思わず抱き締めたくなって」

「そう?ならいいんだけれど」

俺は力強く、しばらく抱き締め続けた。
そんな俺たちを娘の和香が不思議そうにこちらを見ている。

「明日、3人でどこかで外食をしよう」

「仕事は大丈夫なの?」

「大丈夫。やっと落ち着いてきたから」

「わかったわ」

妻はずっと和香の世話をして、ご飯を作って洗濯をして、遊んだりせずに家をずっと守ってくれていたんだ。

俺はいつのまにか当たり前になっていて、妻への感謝を忘れていた。
俺は最低の旦那だ。

「俺、いい旦那になるから」

「なに、いきなり。ずっといい旦那よ?」

妻はふふっと笑う。
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