秘密の陰陽師 【壱】
「…い…おい…あおい!!!」
誰かに名前を呼ばれ目を開ける
「あれ?花じゃんどうしたの?」
「どうしたの?じゃないわよ!
入学式終わったよ!教室に帰るよ!」
あ、もう終わったんだ
時計を見ると11時を指していた
9時半から始まったから1時間半くらい寝てたのか
「葵大丈夫?疲れてるの?」
私の手を引っ張りながら歩く花が振り返る
花は心配してくれたけど…言えるはずがないよね
陰陽師の仕事をして寝不足なんて。
「昨日夜更かししちゃったからかなー」
なんて言いながら話を誤魔化した。
「そうー?ならいいんだけどあんまり無理しないでね。
夜更かしはお肌に悪いんだからね!」
ビシッと人差し指を立てながらそう言う。
ほんと可愛いなぁ…
私なんかとは大違い…