秘密の陰陽師 【壱】
順調に見回りを続け、音楽室に入った時何かが飛んできた
「葵殿〜」
そう言って私の肩にぴょんっと飛びついて来たのは狐の妖だ。
「あら、金狐(キンコ)じゃない」
「朝は助けてもらって悪かったな」
そう、この狐の妖は私が今日の朝に助けた妖だ
深手を負っていたから少し霊力を使ってしまったけど、金狐が元気になったからよかった
どこからか逃げてきたとか何とか言っていたけれど色々事情がありそうなので深くは聞かなかった。
「名前まで付けてもらってありがとな」
金狐はニコリと笑いこちらを見る
妖にとって名前をもらうことは生命をもらうことに等しい
「てな訳でな、俺は葵殿が守るこの学園にすみかを置くことにしたんだ!
力になれるかは分からねぇけど俺にも頼ってくれよな」
「ありがとう金狐」
私もニコリと微笑んだ
今日は優しくて可愛い友達もできたし、頼もしい妖の友達もできて思っていたより学園生活を楽しめそうな気がしてきた