秘密の陰陽師 【壱】
1時間か…あまり時間がないな。
早く準備しなきゃ
私は狩衣(かりぎぬ)に袖を通し、
霊符などを少し持ち道場に向かう。
狩衣は戦う時に着る服なの。軽くて動きやすいからね。
霊符は自分を守ったり攻撃したりするお札のようなものだ。
道場に着くと既にお兄ちゃんはいた。
「待った?」
「いや、俺も今来たところだ」
「そう。じゃあ始めましょう」
私がそういうと、お兄ちゃんと向かい合わせになりお互い構える。
「じゃあ行くぜ」
お兄ちゃんがそう言った途端
お兄ちゃんが真上に飛んでものすごいスピードで私に向かって霊符を投げてきた
それを間一髪で避けた私は体制を立て直す
危なかった…
「お前集中しろよな」
ちょっと不機嫌なお兄ちゃんに言われて気合を入れなおす
そうして私たち兄妹の修行という名の戦いが始まった