秘密の陰陽師 【壱】
「…っ」
ついに壁にまで追い詰められ、逃げ道がなくなってしまった
「ねぇ、僕の質問に答えてよ?」
ニコッと笑う彼に、もう先ほどの王子様のような優しげな表情の欠片さえなかった
嫌な汗が背中を伝う
この人が悪魔に見える。
まるで獲物を捕らえて楽しんでる悪魔…
調査してました。
なんて口が裂けても言えない
私は震える声で
「た、たまたま通りかかって…それで…」
苦し紛れの言い訳をした。
だがそんな言い訳が通じるはずもなく
「正直に言わない子にはお仕置きだね…?」
なんて、女の子が喜びそうなとびっきりの笑顔でその悪魔は言い放った