秘密の陰陽師 【壱】
だんだん、彼の顔が近づいてくる
鼻と鼻が触れ、息をすることさえも忘れていた私
キスされる…
そう思いギュッと目を瞑った
…だがいつまで経ってもキスされる様子はない
ゆっくりと目を開けると
そこには意地悪な顔をした彼がいた
そして
「なぁ、お前…一ノ瀬の人間だろ?」
そんな事を言い放った
凍りつく。息もできない
なに…この人は一ノ瀬家を知ってる…?
パニック…
そんな言葉が今の私にはぴったりだ