秘密の陰陽師 【壱】
第参章
どれくらいの時間が経ったのだろうか
外を見ると日が落ち始めていた
私は力なく立ち上がり体育館を出る
靴を履き替え家に帰る途中もずっと
アイツ…高田舜のことが頭から離れなかった
「ただいまー」
家に着くと珍しくお爺ちゃんが帰っていた
私はお爺ちゃんの部屋まで行った
--トントン
--はい
--私です。葵です。
--入って良いぞ
--はい。失礼します
そう行って私はお爺ちゃんの部屋に入る
いつもはあんな感じで喋ってるけど
仕事のことになると一族の当主のお爺ちゃんには敬語で話す
「どうしたんじゃ葵?めずらしいの」
何かあったのか?と付け足し
祖父は私を心配そうな顔で見る
「高田家…の…
高田舜と言う人を知っていますか?」
祖父は一瞬驚いた顔をしたが
すぐにいつもの優しい顔に戻る
「ほぉ。存じておるぞ。
その高田舜くんがどうしたのじゃ?」