なくした恋を探して
始まりー第1章ー
「好きです。」

私はいま、ずっと好きだった人に告白している。

小さい頃からずっと好きだった幼馴染み。

だから、告白の場所も思い出のある小学校の校舎にした。

心臓がバクバクと鳴り響いて今にもはち切れそうだ。

彼は、無言のままこちらを見つめている。その顔も、とても綺麗でうっとりとしてしまう。

いつも見ている校舎なのに彼がいるだけでモノクロが色をつけたように輝いて見えた。




でも、この告白の答えを私は知っている。





彼が口を開いた瞬間、風がふいた。

まるで彼がいつも見せてくれる微笑みのように、優しい風が。

「ごめん。」

そう言って彼は悲しそうにそして、優しく微笑んだ。

風に踊らされているように桜が、私の心とは正反対にひらひらと舞っている。

目から零れた涙が、桜で埋まった桃色のカーペットに落ちていく。


やだよ…こんな顔見せたくない。

分かってたはずなのに…振られるって。

青色の感情を隠す様に、私は駆け出した。
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表紙・目次

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