日常に、ほんの少しの恋を添えて
集中して黙々と作業を続けていたら、シンプルなパウンドケーキ、チョコチップが入ったパウンドケーキ、くるみとレーズンが入ったパウンドケーキの三種類を焼いてしまった。
「一人暮らしだというのに、こんなに焼いてどうすんだ」
焼きあがったケーキを見つめながら、一人ぼそっとつぶやく。
……会社に持っていこうかな……
そうだな、お茶の時間があるからその時にお茶菓子として出せばいいか……
そして今度は焼きあがったケーキを袋に詰める作業に没頭し、私の睡眠時間は削られていく。でもいいの。好きなことをやっている時だけが私の至福の時間なのだから。
翌日。
朝、部署に到着しルーティンワークをこなしたところで、新見さんが私を呼んだ。
「長谷川さん、今日から実際に専務についてもらうことにしました」
「えっ」
専務秘書として実働するのはまだ先だろうとと思い込んでいた私は、急な出来事に激しく動揺した。
「専務、出張から戻られたのですか?」
「ええ、昨夜。実際についてもらったほうが慣れると思うしね。私はサポートに回るから、今日からよろしくお願いしますね」
にこー。と微笑む新見さんだが、私は笑えない。
「一人暮らしだというのに、こんなに焼いてどうすんだ」
焼きあがったケーキを見つめながら、一人ぼそっとつぶやく。
……会社に持っていこうかな……
そうだな、お茶の時間があるからその時にお茶菓子として出せばいいか……
そして今度は焼きあがったケーキを袋に詰める作業に没頭し、私の睡眠時間は削られていく。でもいいの。好きなことをやっている時だけが私の至福の時間なのだから。
翌日。
朝、部署に到着しルーティンワークをこなしたところで、新見さんが私を呼んだ。
「長谷川さん、今日から実際に専務についてもらうことにしました」
「えっ」
専務秘書として実働するのはまだ先だろうとと思い込んでいた私は、急な出来事に激しく動揺した。
「専務、出張から戻られたのですか?」
「ええ、昨夜。実際についてもらったほうが慣れると思うしね。私はサポートに回るから、今日からよろしくお願いしますね」
にこー。と微笑む新見さんだが、私は笑えない。