日常に、ほんの少しの恋を添えて
専務は会社からいなくなる上に、これから海外に行ってしまう。しかもいつ帰ってくるかわからない。
そうなると、いくら両想いだからと言ってこれで今日から恋人同士――!! とは、いかない、ね……
両想いを喜ぶ自分と、この状況を客観的に見る自分とのはざまで、私はちょっとだけ考えた。そして出した答えを、彼に告げよう。そう決めた。
「専務……」
胸の辺りをそっと押して、私は少しだけ彼から距離を取る。
「長谷川?」
「専務。私、専務のことは好きですが、今専務とお付き合いしたいとか、そういうことは考えていません」
彼の目を見つめて私がそう言うと、すこし驚いたように専務も私をじっと見つめる。ちょっとだけその視線が痛いけど、でも気にしていられない。
「だから私のことは気にせず、お仕事頑張ってください。私は……だ、大丈夫、なので……」
自分で言ってて、何が大丈夫なんだろう? と疑問に思ってしまった。
「長谷川はそれでいいのか? 俺はお前とこれから先、一緒に生きていきたいと思ってる。だけどお前はそれじゃ困る、というのか」
少し苦しそうな専務の表情に胸がズキン、と痛む。
そうなると、いくら両想いだからと言ってこれで今日から恋人同士――!! とは、いかない、ね……
両想いを喜ぶ自分と、この状況を客観的に見る自分とのはざまで、私はちょっとだけ考えた。そして出した答えを、彼に告げよう。そう決めた。
「専務……」
胸の辺りをそっと押して、私は少しだけ彼から距離を取る。
「長谷川?」
「専務。私、専務のことは好きですが、今専務とお付き合いしたいとか、そういうことは考えていません」
彼の目を見つめて私がそう言うと、すこし驚いたように専務も私をじっと見つめる。ちょっとだけその視線が痛いけど、でも気にしていられない。
「だから私のことは気にせず、お仕事頑張ってください。私は……だ、大丈夫、なので……」
自分で言ってて、何が大丈夫なんだろう? と疑問に思ってしまった。
「長谷川はそれでいいのか? 俺はお前とこれから先、一緒に生きていきたいと思ってる。だけどお前はそれじゃ困る、というのか」
少し苦しそうな専務の表情に胸がズキン、と痛む。