日常に、ほんの少しの恋を添えて
正直に話したら、ちょっとだけ専務が不機嫌そうに顔を歪める。
――しまった……
この状況で不機嫌になられては困ってしまう。
「不機嫌にならないでくださいよ……」
「仕方ないだろ。好きな女の初めては、男なら誰だってほしいもんだ」
「そうなんですか?」
「うん、まあ、ね」
この話は終わりだ、と言わんばかりに専務が私をベッドに倒す。組み敷かれた状態で、私と専務は見つめ合う。
「専務……私足、怪我してます……」
「うん、わかってる。負担掛けないようにするから」
言い終えると専務はシュル、とネクタイを外し、床に放り投げた。
唇に優しく触れるキスを何度か繰り返すと、専務の唇は私の首筋に移動する。
「……やっぱり、長谷川はいい香りがする」
首筋にキスをしながら、専務が囁く。
「そ、そうですか……? 特に香水もなにもつけていないのですが……」
「これが長谷川の香りなんだよ。この甘い香りが……」
キスをしながら少しずつ服を脱がされて、彼も服を脱ぎ私と肌を合わせる。筋肉質な彼の肉体に抱き締められると、幸せ過ぎてもう何も考えられなくなった。
『この香りはどこから来るのか、ずっと知りたかったんだ』
そう言って専務は私の体のあちこちにキスをする。
そして宣言通り私の足に気を遣いながら、優しく、時に激しく私を抱いた。
夢のようだった。
専務の温もりと私に触れる優しい手を肌で感じながら、このまま夢のような時間がいつまでも続けばいいのに、と私は願い続けた。
翌朝私が目を覚ますと、専務の姿はなかった。
代わりに残されていたメモには、今日は予定があって早朝にそちらに向かわなければいけないこと、これでしばらく会えなくなること、そして――
“待ってろとは言わないけど、俺の気持ちは何年経っても変わらない”
そう、記してあった。
――しまった……
この状況で不機嫌になられては困ってしまう。
「不機嫌にならないでくださいよ……」
「仕方ないだろ。好きな女の初めては、男なら誰だってほしいもんだ」
「そうなんですか?」
「うん、まあ、ね」
この話は終わりだ、と言わんばかりに専務が私をベッドに倒す。組み敷かれた状態で、私と専務は見つめ合う。
「専務……私足、怪我してます……」
「うん、わかってる。負担掛けないようにするから」
言い終えると専務はシュル、とネクタイを外し、床に放り投げた。
唇に優しく触れるキスを何度か繰り返すと、専務の唇は私の首筋に移動する。
「……やっぱり、長谷川はいい香りがする」
首筋にキスをしながら、専務が囁く。
「そ、そうですか……? 特に香水もなにもつけていないのですが……」
「これが長谷川の香りなんだよ。この甘い香りが……」
キスをしながら少しずつ服を脱がされて、彼も服を脱ぎ私と肌を合わせる。筋肉質な彼の肉体に抱き締められると、幸せ過ぎてもう何も考えられなくなった。
『この香りはどこから来るのか、ずっと知りたかったんだ』
そう言って専務は私の体のあちこちにキスをする。
そして宣言通り私の足に気を遣いながら、優しく、時に激しく私を抱いた。
夢のようだった。
専務の温もりと私に触れる優しい手を肌で感じながら、このまま夢のような時間がいつまでも続けばいいのに、と私は願い続けた。
翌朝私が目を覚ますと、専務の姿はなかった。
代わりに残されていたメモには、今日は予定があって早朝にそちらに向かわなければいけないこと、これでしばらく会えなくなること、そして――
“待ってろとは言わないけど、俺の気持ちは何年経っても変わらない”
そう、記してあった。