日常に、ほんの少しの恋を添えて
それから数日後の私の歓迎会兼新見さんには内緒の彼女の送別会当日。
残業にならないよう仕事を勤務時間内ですべて終え、私は会社を出た。
送別会会場までの道のりの途中にある花屋で手配しておいた花束を受け取り、送別会の会場に入る。花束は新見さんに見つからないよう、お店に預かってもらうことにした。花島さんが会場として予約したちょっとお洒落なイタリアンダイニングは、どうやら貸し切りにしたようで、店内にはうちの部署の人間しか来ていなかった。新見さんもすでに席に着いており、少し遅れて専務もやってきた。
「あ、専務お疲れ様です。早いですね」
私の席の隣に座った彼にそう言うと、ああ、うんと言いながらジャケットを脱ぎ、椅子の背もたれに掛ける。
「長谷川の歓迎会で新見の送別会だからな。一番世話になってる俺が来てなきゃまずいだろ」
一応専務も、義理堅いところがあるんだ。
なんて思いながら、運ばれてきたドリンクをそれぞれに手渡す。
大体人が集まったところで、花島さんが軽く挨拶。そして私も皆さんに挨拶をしてから、再び花島さんが、新見さんに視線を向け話し出す。
「それとですね。新見先輩、ご結婚おめでとうございます!!」
「……えっ?」
戸惑う新見さんへこの場にいる人、すべてが拍手をして祝福する。思いがけない皆からの祝福に新見さんはすでに涙目だ。
「ええ~~!! なによ、皆やらなくていいって言ったのに……」
「そういうわけにはいきませんよー! さ、長谷川さん」
花島さんの合図で私は立ちあがり、店に預けておいた大きな花束を受け取ると、それを新見さんに手渡した。
「新見さん、色々ありがとうございました。寂しいですけどどうぞお幸せに」
「はっ、長谷川さあん……!!」
残業にならないよう仕事を勤務時間内ですべて終え、私は会社を出た。
送別会会場までの道のりの途中にある花屋で手配しておいた花束を受け取り、送別会の会場に入る。花束は新見さんに見つからないよう、お店に預かってもらうことにした。花島さんが会場として予約したちょっとお洒落なイタリアンダイニングは、どうやら貸し切りにしたようで、店内にはうちの部署の人間しか来ていなかった。新見さんもすでに席に着いており、少し遅れて専務もやってきた。
「あ、専務お疲れ様です。早いですね」
私の席の隣に座った彼にそう言うと、ああ、うんと言いながらジャケットを脱ぎ、椅子の背もたれに掛ける。
「長谷川の歓迎会で新見の送別会だからな。一番世話になってる俺が来てなきゃまずいだろ」
一応専務も、義理堅いところがあるんだ。
なんて思いながら、運ばれてきたドリンクをそれぞれに手渡す。
大体人が集まったところで、花島さんが軽く挨拶。そして私も皆さんに挨拶をしてから、再び花島さんが、新見さんに視線を向け話し出す。
「それとですね。新見先輩、ご結婚おめでとうございます!!」
「……えっ?」
戸惑う新見さんへこの場にいる人、すべてが拍手をして祝福する。思いがけない皆からの祝福に新見さんはすでに涙目だ。
「ええ~~!! なによ、皆やらなくていいって言ったのに……」
「そういうわけにはいきませんよー! さ、長谷川さん」
花島さんの合図で私は立ちあがり、店に預けておいた大きな花束を受け取ると、それを新見さんに手渡した。
「新見さん、色々ありがとうございました。寂しいですけどどうぞお幸せに」
「はっ、長谷川さあん……!!」