日常に、ほんの少しの恋を添えて

まるでデートのような

 そこでどの店に入るか話し合いの結果、ビュッフェスタイルのレストランに入ることに。

 普段昼頃にこの辺りを通ると、割と待っている人で長蛇の列ができているのだけど、現在時刻は11時。まだ店内に入っていくお客もまばらだ。
 真っ白い壁と白いテーブルが印象的な清潔感のある店内は、オープンしたばかりでまだ席も空いていて、私と専務は窓側の席に案内された。
 
 成り行き上仕方なく、とはいえ専務と二人きりで食事……二回目ではあるけど前回は仕事のついでだったから緊張しなかったのに、今回はプライベートとあって緊張も前回より増している。

 それでも、あんまりガチガチだと怪しまれるから、普通にしてなくっちゃ……

 専務が「じゃ、取りに行くか」と席を立つ。私もそれに続いて席を立ち、料理が並ぶフロアまで移動する。
 和洋中、様々な料理が所狭しと置かれ、どれを取るか真剣に悩む。しかもステーキはその場で焼いてくれてるし、オムレツも注文してから作ってくれる。

 何ここ。天国かしら。でも最初は野菜を食べなきゃね。
 葉物野菜とステーキとパスタをお皿に乗せ席に戻ると、丁度専務も席に戻って来た。
 彼のお皿にも私が持ってきたものと同じステーキが乗っていて、思わず「あ」と頬が緩んだ。

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