恋愛預金満期日 
 英会話の日が来た。

 僕はいつもの通り喫茶店の中へと入った。

 彼女は先に来ており、カウンターでマスターや常連客と楽しそうに笑って話をしていた。

 僕に気付くと、彼女は笑顔を僕に向け奥の席へと移った。


 いつから、この店にはこんなに客が入るようになったのだろう? 僕は店の中を見渡した。

 彼女が奥の席に座ると、カウンターの周りに居た客もそれぞれ席に着き、本を読んだり、書き物を始めたりした。

 僕も、彼女の居るテーブルに座り、いつものようにレッスンを始めたる事にした。
 

 少し早めに終わらせ、僕は冷めたコーヒーを一口飲んだ。


「あの…… お話しがあるんです……」


  僕は全身の勇気を振り絞って口にした。
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