恋愛預金満期日 
「黙っていてごめんなさい。私…… 海原さんと居ると凄く安心出来て、一緒にいれば幸せになれるかもって思います。でも今、私にとって今は結婚のタイミングでは無いと思うんです」

 僕は黙って彼女の話に耳を傾けた。


「やりたかった留学しないと、いつか後悔する気がするし、自分の納得できる生き方じゃないと思うんです。私なんかを、海原さんにこんなに思ってもらえて、凄く嬉しかったです。でも、オーストラリアに行きたいんです」


「ごめんなさい……」

 彼女は頭を下げた。


 僕は例え東京への異動が無くても、彼女とは別れる事になっていたと知った。


 僕はコーヒーをゆっくりと口にした。



「……雨宮さん。僕とあなたには大きな違いがあるみたいですね……」

 勿論、そんな事は初めから解っていた事だった。
 
 ただ、今改めて思い知った事…… 
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