フューチャーラブ
はじまりの時間
運命は変えられない。私はずっと孤独に一人で生きていくしかないんだ。
「一人じゃ生きられない。」
そんな風に皆話すけれど、私はそれでも一人で生きなければならないんだ。
誰にも私の気持ちなんて本当にわかるわけがない。
「美月ってさぁ、本当ウザイよね~!!」
「うんうん、本当消えて欲しいよね。早く転校してくれないかなぁ。」
ほら、私は今日も惨めなんだ。女子は、いや皆私の事を嫌う。
私は桜庭美月(さくらば みづき)。一人が好きな高校2年生。
今のクラス女子二人の会話も聞こえているけど、私はあえてスルーをして聞こえてないフリをする。
「ねぇ美月ちゃん」
クラスメイトの玲美(れみ)に呼ばれた。また今いる教室から連れ出してやるつもりなのね。
「何?」
分かっているのに、分からないフリをする私。
「屋上に一緒に行こう?」
「分かった。」私は席から立ち上がって少し歩いて教室の扉の前に立ち、手をかける。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop