好きになった彼は幽霊でした。
大切な君の言葉だから side雪姫
午前7時過ぎ。
私は早めに教室に来ていた。
ぼーっと窓の外の空を眺める。
優馬君が居なくなってから5日が経った。
相変わらず私は毎夜図書室に通っている。
もちろん、あれから優馬君とは会っていない。
でも、もしかしたら夢だったんじゃないかって、優馬君に逢えるんじゃないかって思って図書室に行ってしまう。
「はぁ……。」
「━━━…ちゃん、雪姫ちゃん。」
「きゃっ!」
「ごめん、驚かせた?おはよう、早いんだね。」
声をかけてきたのは龍平君だった。
ジャージを着ているから、部活の途中なんだろうか。
「あ、うん、早く起きちゃったから…。」
「そっか!今日は夏菜と一緒じゃないの?」
「夏菜ちゃんは用事があるって先に出てったから…。」
「そっか!」
会話が途切れて気まずい沈黙が流れる。