好きになった彼は幽霊でした。

「よかった、元気になって。」


「え?」


龍平君の呟いた言葉に驚いた私を見て、夏菜ちゃんが言う。


「実は龍平にね、雪姫ちゃんを元気づけたいから協力してって頼まれたの!」


「って、おい!夏菜、それ言うなって…!」


「いいじゃん、本当の事だし♪」


夏菜ちゃんも龍平君も私を元気づけようとしてくれたんだ…。


「あのっ…夏菜ちゃん、龍平君…ありがとう。」


私がお礼を言うと、夏菜ちゃんが頭を撫でてくる。


「よしよし〜。」


「夏菜…俺が出来ないって知っててやってるだろ、それ…。」


その後、龍平君は女の子を送るのは当然だと言って寮まで送ってくれた。


「送ってくれてありがとね、龍平。」


「本当にありがとう、龍平君。」


「いや、当たり前の事だし!…あ、あのさ、雪姫ちゃん、ちょっとだけ話せないかな?」


「え…あ、う、うん…。」


「じゃあ、私は先に帰るね〜♪」


夏菜ちゃんはさっさと寮の中に入って行ってしまった。

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