好きになった彼は幽霊でした。
私…あんな風に泣きじゃくって…。
今更恥ずかしくなってきた…。
「どうしたの、赤くなっちゃって。なに、今更恥ずかしくなったの?」
「えっ!?いや…その…はい…。」
「あははっ!雪姫ちゃん、素直だねぇ。可愛い。」
「えっ!?」
人と関わりがない私は、もちろん可愛いなんて言われた事なくて。私の顔は一気に熱くなる。
「あ、照れた。ほんともう…分かりやすい。からかいがいがあるよ。」
また、からかわれた…!
「そういえば一旦戻らなくていいの?」
「あ…!夕食の時間っ!」
「俺はずっとここにいるから行っておいで。」
「はい…!また後で来ますねっ。」
私は優馬君に背を向けて図書室を出た。
渡り廊下を通過し終わり、私はちらっと振り向く。
手を振っている優馬君は心なしか寂しそうに見えた。