好きになった彼は幽霊でした。
「あのさ、やっぱりタメ口で話してくれない?君付けなのに敬語って変な感じするし。ねぇ、ダメ?」
確かにそうかもしれないけど、でもっ…!
うぅ…そんな頼まれたら断れないよ〜!
「うぅ…分かった。頑張ってみるねっ…!」
「ありがとう。…ねぇ、雪姫ちゃんはさっきみたいな事良くあるの?」
「え、さっきみたいな事って…?」
「ほら、襲われそうになったでしょ?悪霊に。」
優馬君の言葉でさっきの事を思い出し、少し怖くなる。
「あ…えっと、良くじゃないけど、たまに…。でも、昔近所に住んでた男の子がくれたお守りが、いつも私を守ってくれて…。」
「そうなんだ。…まだ持っててくれたんだね、そのお守り…。」
ぼそっと言った優馬君の声は私には聞こえなかった。
「あ、そう言えば、優馬君は未練とかあるんで…あ、未練とかあるの?」
私は敬語になりそうなのをタメ口に言い直す。
それには触れずに優馬君は話した。