好きになった彼は幽霊でした。
「俺は幽霊になったから、直視して失明する事もないんだけど、見にくいだろうし。ちゃんと見たいんだ。そこで君にお願いがあるんだけど、俺がちゃんと見れるように、協力してくれない?」
「えっ!?」
優馬君の申し出に私は驚いた。
でも金環日食が見れたら、優馬君はちゃんと成仏出来るのかな?もしそうなら手伝ってあげたい。
私は少し考えてから返事を返した。
「うん、分かったよ…!ちゃんと見れるように、私、協力するっ!」
「ありがとう、雪姫ちゃん。」
「でも、私詳しくないから、どうしたらいいか教えてね?」
私がそう言うと、優馬君は意地悪な笑みを浮かべた。
「分かった。じゃあ、明日から、みっちり勉教えてあげる。俺、スパルタだから覚悟しなよ?」
「えぇ!?」
「あっはは、そんな身構えなくても。」
「だって…!」
「…大丈夫、優しく教えてあげるから。」
優馬君は私の耳元で囁いた。
私は耳まで真っ赤になり、茹でだこ状態。
それを見た優馬君はお腹を抱えて笑い出した。