好きになった彼は幽霊でした。

「そんな笑わないでよ〜…!」


「あっはは…!だって雪姫ちゃんの顔、すごく真っ赤だから。」


「うぅ…。」


「ごめん、ごめん。…あ、春の大三角!」


ふと空を見た優馬君が指さした。


「ほら、見てみて。あそこに北斗七星あるの分かる?」


「あ!うん、分かるよっ!」


北斗七星くらいなら私も見つけることが出来た。


「北斗七星の下に明るい星が3つあるでしょ?アルクトゥルス、スピカ、デネボラって名前の星なんだけど、それを線で結んだ三角形を春の大三角って言うんだ。」


「わぁあ、すごい綺麗〜!優馬君って星詳しいんだね!私も星好きだけど、こんなに詳しくないもん!」


久しぶりに気持ちが高揚してはしゃいでしまう。するといきなり抱き締められた。


「もう…雪姫ちゃん、その顔、反則。可愛すぎ。」


「えっ…えぇ!?ちょ…ゆ、優馬君っ!?」


「ごめん、少しこのまま抱き締めさせて?」


それからしばらく優馬君に抱き締められたまま、時間が過ぎていく。


こうして私は優馬君の金環日食を見るお手伝いをする事になった。

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