好きになった彼は幽霊でした。

食べている時に図書室を見ると、また窓から優馬君が手を振っていたから、軽く手を振り返した。


早めにパンを食べ終えると、私は図書室へ向かう。


優馬君は隅の本棚に寄り掛かって待っていた。
私が傍へ行くと優馬君は言った。


「来ると思ってたよ。」


図書室には数人の利用者がいるため、喋る代わりに優馬君に笑顔をむけた。


そんな傍からみたら奇妙な光景なのに、私の心は嬉しさでいっぱいだった。


「午後の授業も頑張るんだよ?」


「うん、頑張るっ。」


優馬君の言葉に口パクで答えると、皆に見えないように小さく手を振って図書室を出た。


午後の授業が終わって放課後、私は早々に部屋に帰り宿題を終わらせる。


そして、夏菜ちゃんと夕食を食べて、8時過ぎに図書室に行く。


「雪姫ちゃん、最近なんか夜になると楽しそうだよね〜!いい本でもあったの〜?」


「う、うん、そうなのっ!じゃあ、行ってくるねっ!」


「うん、行ってらっしゃい。」

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