好きになった彼は幽霊でした。
知らないと思っていたのに、まさか夏菜ちゃんの知ってる人だったなんて…。
「雪姫ちゃん、知らないの?私達と同じ中学の先輩だよ?すっごく人気でかっこよくて有名な先輩だったじゃんっ!」
「え…そうなの…?」
私、本ばっかり読んでて、人気の先輩とか恋愛とか興味がなかったから全然知らなかった…。
「でも、その先輩…高校1年になってから、交通事故で亡くなったって聞いたんだけど……。ねぇ、その人本当に優馬先輩なの?」
優馬君は事故にあったって言ってたから、たぶん夏菜ちゃんが言ってる先輩と同一人物。
「…私が好きな人と夏菜ちゃんが言ってる人は同一人物だよ。」
「え…でも、優馬先輩はもう……。」
「そう、亡くなってるの。ここからの話は信じてくれるか分からないけど…私が毎日図書室で会ってるのは、幽霊になった先輩なの。」
「え…そんな事有り得るの…?」