好きになった彼は幽霊でした。

「私、幼い頃から幽霊とかが見えてて…今もたまに見えるの。そのせいで嫌われるんだけど。本を返し忘れて図書室に行った夜、優馬君と出逢ったの。」


「雪姫ちゃんは、幽霊だって知ってて先輩を好きになったの…?だって結ばれないんだよ…?」


結ばれない…か。確かに幽霊と結ばれないのは目に見えてる。でも、好きな気持ちは嘘じゃない。


「うん、それでも私…優馬君が好きだよ。たぶんきっと、最初に出逢った時から……。」


黙り込む夏菜ちゃん。
普通は幽霊なんて信じられないよね…。
こんなのはやっぱり嫌われちゃうよね。
せっかく友達になれたのにな…。


「━━…ごい、すごいっ!好きを貫ける雪姫ちゃんは素敵だよっ!」


「━━━…へ?」


思いがけない言葉に驚いた私は情けない声を出してしまう。


「私、雪姫ちゃんのこと応援してる!!確かに幽霊っていうのは信じ硬いけど、雪姫ちゃんの気持ちが嘘じゃない事は分かったから!」

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