好きになった彼は幽霊でした。
そんな拗ねられても可愛いとしか思えないよ?
午後9時少し過ぎ。
「よしできた!雪姫ちゃん可愛い〜♡絶対こっちの方がいいよっ♪」
私の髪はくるくるに巻かれ、左耳の高さで結ばれている。しかも、ただ結んであるだけじゃなく、ひとアレンジしている。クルリンパとかいうらしい。
「これ、私…?」
鏡で見た自分は自分じゃないみたいで。
確かに自分の顔だけど雰囲気が自分じゃない。
「雪姫ちゃんは元がいいもん!きっと先輩も見とれちゃうよ〜♡」
「そうかな…。」
「そうだよっ♪あ、もう時間じゃない?」
時計を見ると午後9時30分になる所だった。
「あっ!行かなきゃ…!」
「行ってらっしゃい♪」
さっき買ったサングラスを手にすると、夏菜ちゃんに見送られて部屋を出た。