好きになった彼は幽霊でした。
「あっ…!」
私は袋からそれを取り出す。
「あ、それ、金環日食見る時の…?」
「うんっ!今日、友達と買い物行った時に見つけたの!」
「そうなんだ!ありがとね、雪姫ちゃん。」
「うんっ…!」
優馬君にありがとうって言われるとすごく嬉しい。気まずいと思っていたのに、いつの間にかそんな思いはなくなっていた。
「あっ、流れ星!雪姫ちゃん、お願い事しよ?」
優馬君がそう言うと私も空を見る。
目の前の空に流れる流れ星を見つめる。
少しでも長く優馬君といられますように、と願いを込めて。
「ねぇ、雪姫ちゃんは何てお願い事したの?」
「えっ…ひ、秘密っ…!そういう優馬君は?」
「……俺も秘密。っていうか、願い事は人に話したら叶わなくなっちゃうんだよ。」
「えっ、そうなの?…じゃあ、なんで私に聞いたの?」