好きになった彼は幽霊でした。
「んー?そんなこと聞いたかなー?」
とぼける、意地悪な優馬君。
悪戯な優馬君の顔にどきん、とする。
またからかわれた…。
「もうっ…!」
私が膨れると優馬君が頭を撫でてくれる。
「そんな拗ねられても可愛いとしか思えないよ?そういえば、いつも思うけど、雪姫ちゃんの髪って長くてサラサラだよねぇ。…触れたくなるくらい。」
私の髪に触れ、優馬君の手を私の髪がすり抜ける。
どきん、どきん、と胸の音が速くなる。
私の髪を見る優馬君の目は艶やかで見入ってしまう。
ふと、優馬君と目が合う。
私はすぐに目を逸らした。
「あっはは!君ってば、いちいち反応が面白過ぎ!顔、真っ赤にさせちゃって…もう、可愛いなぁ。」
私は真っ赤な顔を両手で隠す。
「もう…見ないで…!」
私が両手で顔を隠すと優馬君が私の両手を掴む。
「こらこら、だーめ。もう笑わないから手離して?」
「だめ…!絶対笑うもん!絶対変な顔してるもん!」