好きになった彼は幽霊でした。
「あれ、顔赤いよ?もしかして君、
男と付き合った事ないんじゃない?」
「そんなことっ……!」
「え、あるの?」
「ない…です…。」
「だろーね。」
だろーねって…なんか失礼じゃないの。
「そういう貴方はあるんですか?」
「んー……ひみつ。」
「………。」
そんな会話をしていても、カップルの声は聞こえ続ける。
やだな…早く終わってくれないかな。早く部屋に帰りたいし、こんなのもう聞いていられないよ〜!
すると突然、カップル達の声は途絶えた。
え━━━━……?
私は彼の両手によって、両耳を塞がれていた。
「この先は、君にはまだ早いみたいだからね。」