好きになった彼は幽霊でした。
「あはは、びっくりした?実は俺も好きなの、古典。」
「えっ、そうだったの!?いつから?」
「…俺はたぶん小4くらいから。親がそーゆーの好きだったからね。雪姫ちゃんは、なんで古典好きになったの?」
「…小学校の頃、近所に古典好きのお兄ちゃんが居て、その人がよく読んでたの。スラスラ読んでる姿がかっこよくて…私も読めるようになりたいって思ったの…。」
そういえば、その人の両親も古典が好きだって言ってたような…。
「そうなんだ。じゃあ、きっと、その人も喜んでるよ。自分の好きなものを好きになってもらえて。」
「そうかな…?」
「そうだよ。」
頭を撫でられてる私は、目を閉じて感覚を感じる。
優馬君に撫でられるの好き…。
「あのさぁ…そんな顔しないでくれる?」
「へ……?」
優馬君の言葉で目を開けると、目の前に優馬君がドアップで映る。
「きゃっ…!!」
私は驚いて思わず顔を隠すと、ふわりと私を柔らかい何かが包む。
「ほら、寒いでしょ?せっかく持ってきたんだから、毛布かけなよ。」
そう言って毛布を被せてくれる優馬君。