好きになった彼は幽霊でした。

「なに?もしかして俺に━━━━…」


優馬君が私の顎に手を置き、親指で唇を撫でる。


「━━━……襲われたいの?」


ニッと口角を上げて意地悪そうに微笑む優馬君。


どきん、と胸が高鳴る私にはもう、優馬君がどこまで本気なのか分からない。


目を瞑った私の耳に飛び込んできたのは、優馬君のクスクス笑う声だった。


「ふふっ…雪姫ちゃん、面白過ぎ!冗談だよ、何もしないから安心して?」


「━━━…っ!?」


またやられた…!からかわれたっ…!
いっつも優馬君は冗談ばっかり。


「もう10時過ぎてるよ。ほら、あっちのソファーで寝よう?」


「え、でも、まだ10時……。」


「だーめ、子供は寝る時間。」


優馬君に連れられてソファーに座る。


「…優馬君だってあんまり変わらないじゃん。」


「残念〜、幽霊は寝ないの。」


「そんな答えずるい…。」


「ずるくない。君、さっきから随分強気じゃない?そんなに押し倒して欲しいの?」


言葉と同時に優馬君に押し倒される。

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