好きになった彼は幽霊でした。
ごめん、このままでいさせて…
午前6時前。
眩しさを感じて目を覚ます。いつもと違う風景に一瞬驚いたけれど、すぐに昨日の事を思い出した。
そっか…私、優馬君と一緒に図書室で…。
優馬君はソファーの端に座って近くの窓から空を見てたけど、私が起きた事に気付いてこちらを振り向いた。
「あ、起きた?…おはよう、雪姫ちゃん。」
「おはよう…優馬君。」
「寒くなかった?俺、さっきまでずっと君を抱き締めてたんだけど…。」
「あ…うん、大丈夫だったよ。」
ずっと抱き締めてくれてたんだ…。
寝不足だったせいか、ぐっすり寝入っちゃって気にならなかった。
「━━━…雪姫ちゃん?」
考え込んでたら、いつの間にか優馬君が顔をのぞき込んでいる。
「えっ…な、なに…?」
「大丈夫?具合い悪い?」
「ううん…大丈夫っ。」
「そう?━━━…あ、昨日の熱い夜の事でも思い出してた?」
優馬君は私の耳元で囁いた。
「えっ…熱いっ…!?」
少し体を離した優馬君と視線がぶつかる。
意地悪な優馬君の笑顔。