好きになった彼は幽霊でした。

「だから、名前、何ていうの?」


「えっと、雪姫です。柊木雪姫…。」


「ゆきちゃんね、可愛い名前じゃん。俺は星崎優馬。ゆきちゃん、歳いくつ?」


ゆうまって言うんだ、名前…。


「えっと…16です…けど…。」


「そっか!じゃあ、俺のほうが2コ上だね。とは言っても16で死んだから同い年みたいなもんだし、敬語はやめて欲しいな。タメ口でいいよ。」


「でも私…初対面の人にタメ口なんて…。」


「そうなの?真面目ちゃんなんだねぇ、雪姫ちゃんは。んーじゃあ、名前は下の名前で、タメ口は俺に慣れてきたら…で、どう?」


下の名前でっていうのもなんか変な気がするけど…。


「それなら…たぶん…大丈夫です。」


「よかった!」


月明かりに照らされて優馬君の顔が見えると、私の頬が熱くなる。

< 8 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop