好きになった彼は幽霊でした。
「だから、名前、何ていうの?」
「えっと、雪姫です。柊木雪姫…。」
「ゆきちゃんね、可愛い名前じゃん。俺は星崎優馬。ゆきちゃん、歳いくつ?」
ゆうまって言うんだ、名前…。
「えっと…16です…けど…。」
「そっか!じゃあ、俺のほうが2コ上だね。とは言っても16で死んだから同い年みたいなもんだし、敬語はやめて欲しいな。タメ口でいいよ。」
「でも私…初対面の人にタメ口なんて…。」
「そうなの?真面目ちゃんなんだねぇ、雪姫ちゃんは。んーじゃあ、名前は下の名前で、タメ口は俺に慣れてきたら…で、どう?」
下の名前でっていうのもなんか変な気がするけど…。
「それなら…たぶん…大丈夫です。」
「よかった!」
月明かりに照らされて優馬君の顔が見えると、私の頬が熱くなる。