好きになった彼は幽霊でした。
やっぱ可愛いね、君は
午後7時過ぎ。
図書室を出て来てから夕食を食べにカフェへ行く。
カウンターで夕食を受け取り、空いている席を探していると、夏菜ちゃんが手を振っているのを見つけた。
「雪姫ちゃーん!こっち、こっち!」
私は夏菜ちゃんの向かいの席に座った。
「お昼はごめんねぇ。前から龍平に紹介してくれって言われてて、お昼に捕まっちゃってさぁ…。」
「…ううん、気にしないで?私こそ上手く喋れなくて…龍平君がっかりしてなかったかな?」
「全然っ!龍平、めっちゃ浮かれてたよ!」
「そ、そうなの?」
「うん。だから龍平の事は気にしなくていいけど、雪姫ちゃんは大丈夫?好きな人がいるのに…。」
「…うん、大丈夫…。」
「それならいいんだけど…。」
私は夏菜ちゃんに笑顔を向ける。
でも本当は全然大丈夫じゃないけど…。
そんな時、声をかけられた。
「ねぇ、隣いい?」
少し上を見ると、知らない男子が2人いた。
男子の言葉に答えてくれたのは夏菜ちゃん。
「私はいいけど…雪姫ちゃんは?」
「えっ…うん、大丈夫。」
「やった!じゃ、隣失礼しまーす!」
男子2人が私と夏菜ちゃんの隣の空席に座った。