好きになった彼は幽霊でした。
「柊木さん、今日の昼、龍平と一緒だったって本当?」
「え!?あ…はい。」
今日のお昼の事なのに、情報回るの早いなぁ。
龍平君に聞いたのかな?
「ちょっと〜私もいたんだけどなぁ〜。」
夏菜ちゃんがほっぺたを膨らませて拗ねる。
女の子っぽくて可愛い。
それに本当に皆と仲いいんだなぁ…。
「あはは、ごめん、ごめん。つか、今度は俺も一緒していい?」
私は愛想悪いし、上手く喋れないし…暗いし…本当ダメなやつだと思う。
「━━━…柊木さん、聞いてる?」
「え、あ!ごめんなさい…なんですか?」
「今度、俺と一緒にお昼しない?」
「えっと…ごめんなさい…。私、そういうの慣れてなくて…。」
「まじかー。つか、慣れてないって…なんかピュアで可愛いねっ。」
可愛いって優馬君以外の男子に初めて言われた…。
だけど、なんでだろう。全然何とも思わない。
優馬君に言われると胸がドキドキするのに。
まぁ…優馬君には好きな人がいるから、ただからかわれてるだけなんだけど。
それでもいいって決めたのは自分だけど、ちくん、と胸に刺さる。
チラッと時計を見ると、8時を過ぎていた。
優馬君…きっと待ってるよね。